外科で起こったこと -36-
2019.11.27.00:20
第三十六話 免死
裸の上に1枚だけまとった白衣の裾がまくれてしまい、アンダーヘアが露出しても、怯むことなく たかこ は学生に抗って脚を閉じる筋肉に力を入れます。
もし性器を見られたらそれは たかこ が死ぬ時、そんな思いが心に生まれてきて、死にたくない!、すなわち、性器を開かれるわけにはいかないと言う強い意志が生まれます。これはもう、敗北とか屈辱とか羞恥を飛び越えた、生死の狭間であると言うことでありました。
幸いなことに、学生が掴んでいるのは たかこ の足首であり、これを広げようとしても、両膝さえきっちりと合わせていれば、足首を左右に広げても下腿部分が広がるだけであり、これは先天異常のX脚のような状態、股間は開かれず、従って性器は露出されることはありません。足首を左右に牽引しても下腿が開くのみで股間を開くことができない、決め手を欠いた、学生にも限界が見られておりました。
このまま学生が諦めてくれれば!、たかこ は必死に抗いながらも一縷の望みを持っておりました。この修羅場を逃れれば、空気の流れから、学生は意気消沈して たかこ 腕の束縛を解き、「悪ふざけはダメよ!」なんて、先輩の教官としての言葉をかける、そんな用意も生まれて来ました。
ついに学生は「ふ〜っ」とため息をついて、これは無理だ!、って顔で足首を持つ力を緩めました。なにも言いませんが、負けたよ!、って言う気持ちが伝わって来ます。たかこ に少しだけ安堵の気持ち、余裕が生まれます。次に要求するのは腕の束縛を解いてもらうことです。たかこ は、とりあえず、死は免れました。
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ところがその時!
少しだけ力を緩めた たかこ の両膝の間が緩んだところに、学生は両手をぐいとねじ込んで来ました。あっ!!!、両膝の間に手を入れられてしまうと股間を開くのは至極簡単です。
あっ!!!、いけない!!
ざわっとする胸騒ぎ、全身の体毛がピンと逆立つような感覚が走ります。悪夢の再現です。
「ば〜っ!!!」
学生はふざけた声をあげると同時に たかこ の両膝を捉えた両手を左右に広げました。
あっ!!!
声にはしませんが心の中で大きな声を上げる たかこ です。